劣等感が強い母親

強い劣等感にさいなまれているからと言って、すべての人が目立たないように日陰で生きているわけではなく、むしろ劣等感を隠そうと自分を大きく見せる人も少なくはありません。
周りを見下すことで自分の立ち位置を構築しようとするので、むしろ攻撃的な態度に出ることがあります。他人の目からは自信家のように見えますが、理不尽な言動が目立つので更に周りとの溝を深め、敵対心や嫉妬心を増幅させてしまうという悪循環です。

そして、この嫉妬心はもちろん自分よりも弱い立場にある子どもたちにも向けられていきます。

どのような形で現れるかと言えば、きょうだいの中で頭のいい子、見た目のいい子、自分のいう事を聞く子を溺愛しそれ以外は決して認めないという極端な態度をとることがあります。
もし子どもが一人っ子だとすると、今度は近所や親せきの子どもをほめ、自分の子どもを蔑むような言動をしますね。いずれにせよ、子どもの自由を奪って支配下に置くわけです。おそらく母親自身も、子どもの頃から周りと比べられながら傷ついてきたのでしょう。

このタイプの母親が娘に投げかけるセリフはこんな感じでしょうか。

お前は本当にダメな子

そんなこともできないの

気が利かないわね・・・

そうやって私を苦しめるのね

○○さんには絶対負けたくないわ

娘も、自分を認めてもらえない環境で劣等感が増します。虐げられてきた姿をほかのきょうだいも見ているのですから、きょうだいからのいじめに苦しんできた方も多いです。
お話を聞いていると、将来に対して悲観的でネガティブです。他人と自分を比べることで行動が委縮するか、思い通りに振舞えない苛立ちで他者の悪口や批判に終始してしまうか、両極端の行動で葛藤しています。

でも本当はわかっていますよね。他人の悪口言っても(思っても)気持ちは晴れないでしょう?要はフラッシュバックです。母親の他者への批判的・攻撃的な姿と自分が重なり、その苦しみから逃れられず、また批判を繰り返す。そのループから抜けられないのです。

母親に認めてもらいたくて、周りより優秀でいなければという想いから家事や勉強や仕事は頑張ってきた方もいるでしょう。ですが根本的に自分で自分を褒めてあげられないために、他者評価に頼ってしまいます。そうなると、あっという間に弱みに付け込まれてしまう危うさも抱えています。

恋愛や結婚において、パートナーとの関係性でも支配下に置かれがちな方はもしかすると劣等感が強い母親との関係性が影響しているかもしれません。あなた自身も自分の強さを誇示するための他者批判はやめて、劣等感から解放されないと現状は改善できません。

あなたの母親も褒められたい思いが強いです。すでに大人になった娘として、母親への対応はマウンティングではなく、褒めてあげる姿勢も必要になってきます。ただ、いきなり「褒めてあげましょう」と言って行動を変えられる方はまずいないでしょう。この課題の克服もやはり自らの劣等感と向き合う必要があります。