親が「愛情」と称した娘への過干渉を止められず、娘もまた母からの過干渉を「愛」と信じようとして、違和感を抱えながら反発心を胸にしまいこんでしまう。このケースが共依存の「優しい罠」です。
毒親ではないが、親からの言葉に傷つき生きづらさを抱えてきた方のほうが圧倒的に日本は多いのかもしれません。
きょうだいのような親子、教育熱心な母親、しっかり者の娘・・・周囲からはうらやましい関係に見えますが、家族の真の姿は周りにはわかりませんよね。子供が、親にとって都合のいい自分を演じる選択をしただけだけかもしれないのです。
大人になって娘に自立心が芽生えても、自尊感情を傷つけるような発言や自立を妨げる制約から逃れられなくなります。
いう通りにすれば母親は安心するが自分は意志を通せずモヤモヤする。
反論すれば母親が感情的になって事態がこじれる。
娘にとっては、どっちを選べばいいのかわからなくなります。
当然ながら、この葛藤はほかの人間関係に影響が出ます。
母と娘が、共依存からなかなか解放されない原因は、女性同士であることも要因の一つでしょう。女性は本来、不安を抱えやすいうえに、日本の閉鎖的な家族関係の中で「夫に従うべき」「母親はこうあるべき」と言った社会的要求からくる抑圧に晒されています。そして、同性であるがゆえの共感による結びつきと、激しい嫉妬との間で葛藤し、不安定な状態から逃れられず相互に苦しむことになります。
母親の抱える不安は子育てとともに娘に引き継がれていき、やがて娘もまたその不安の中で生きていく。そしてその子供へ・・・負の連鎖はこうして続くのです。
もしあなたが負の連鎖に気づいたなら、あなたが止めなければなりません。
誰のためでもなく、自分が幸せになるために、です。