完璧主義の母親

完璧主義の母親は自分にも他人にも厳しいです。
完璧な教育、完璧な家事、完璧な家族。
白黒のジャッジなのでグレーゾーンがありません。ハードワーカーでもありますから、頑張りすぎて自ら体調を壊したりすることもあります。自分の生み出したストレスから更にその厳格さは増していきます。

完璧主義の母親に育てられた娘は、母親からあまり褒められることがありません。努力をしても努力そのものを認めてもらえないのです。
「○○しなさい」「絶対に○○でなくではダメ」「もっと頑張れるでしょう」「本当にあなたはダメよね」・・・そんな言葉に傷つきながら育ちます。

母親としては娘の欠点は自分の欠点でもあるので、厳しい目を緩めることがありません。それは同性であるが故に欠点しか見えなくなっている可能性があります。「母親は自分には厳しかったが、弟や兄には優しかった」と過去を振り返る女性は多いのはそのためでしょう。長女や一人っ子なら尚更、逃げ場所がなくて辛かったですね。

娘は大きくなっても人から批判されることへの緊張感を消すことができずに苦しみます。
自分を甘やかすなんてもってのほかです。他者評価に頼りがちなので頑張っても頑張っても「これでいい」と言えないので達成感や満足感が得られず、結婚後はやはり完璧な母親像を追い求めることになります。

パートナー選びで失敗しがちなのは批判的な状況を避けようと「優しい人」「穏やかな人」を求め、いざお付き合いや結婚をしてみると他人に無関心だったり、自分の意見を言えない人だった、なんてことが起きますね。
あるいは「優しい言葉」に弱いので相手に依存することもあります。本当にあなたに優しい人なら問題はないのですが、DVなどの問題が発覚しても逃げられなくなります。
こんな問題が表沙汰になったら、母が何と言うだろう。自分で何とかできないなんて妻(母親)失格だ・・・とそこまで追い詰められることもあります。

自分もいつのまにか完璧主義を目指している状態です。
でも周りから「完璧な人なんていないよ?」と言われても修正できないですよね。
この場合、他人に甘えられない気質がネックになっています。
セッションで「他人に甘えるのは悪いことじゃない!」と気づくと、途端にパートナーが優しくなった、という報告をいただくことがあります。無関心だったのではなく、「僕を必要としていないんだとずっと思っていた」と告白されたという方もいます。

ゆる~い思考になることで母親はまたダメ出しを始めるかもしれません。ですが「私は私」というスタンスが出来上がれば母親との関係性もまた変わっていきますよ。