夫は母親が好き。私は母親が嫌い。

ご主人がご家族の中でリーダーシップを取れない、言ったことしかやらない、決断できない、無関心。「父親らしくできないの?」という妻からの激怒に「家庭を守るって何?」とポカンとしている。

こんなご主人に悩むお声はよく聞きます。
ただ、これだけでご主人を「発達障害だ!」で片づけるのはすこし尚早です。
人間は環境に育てられます。

ご相談をさらに聞く中で見えてくるのはご主人の母親の過干渉のパターンです。

推察するに・・・ご主人は小さいころから義母の先回りでモノを与えられ、世話を焼かれ自分で考えることができなくなったのでしょう。いえ、もしかすると「愛情」という名を語る子供の自発性を全否定の教育だった可能性もあります。
つまり、目の前にいるご主人は感情や行動共に未発達なまま大人になった状態です。

ご主人は何の不満も感じず育ってきたのでしょうか。自分に選択権はなく、母親の好きなものを与えられるので、はじめは嫌がったかもしれません。でも拒否しても結局押し付けられるし、怖いし、泣かれるし・・・結局自分のココロを押し殺していきます。

自分の気持ちと向き合うことを諦めて、母親の望むことに従うだけの人生ですから、潜在的には母親への怒りも隠れています。こういうタイプのご主人が突然ブチギレて暴れたりするのは、母親に反抗できかったことへの名残でしょう。

怒りはありますが、何もしなくて世話を焼いてくれる母親の言いなりは、何も考えなくていいので楽と言えば楽です。これではいつまでも親離れ子離れできません。

そんなご主人と出会い結婚した妻は・・・母親が嫌いです。

嫌いと言っても状態はそれぞれで、明確に毒親・虐待経験がある場合もあれば、本人が気づいていない場合もあります。こちらも「愛情」という名を借りた束縛を受けてきている場合です。

母親を尊敬していて「母親のように頑張らなくては」という思い。
母親を嫌悪していて「母親のようにはならない」という思い。

どちらにせよ、あなたにとって母親は自分の味方ではなく寂しさを抱えています。

頑張っているのに、義母からは「息子がこうなったのはあなたのせい」と言われる。自分の母親からも「あなたはまだまだ妻として足りない」と言われる。やり切れません。

さて・・・ではどうするか、です。ご主人との関係と義母との関係をきっちり線引きしながら現状を変えていく必要があります。

まず、姉妹みたいな母娘とか嫁姑、この関係を目標にするのは一度リセットしましょう。
女性同士は仲間であり敵でもあります

「女同士の葛藤は必ずある」というのが大前提です。そしてこの闘いがあなたの自尊感情を傷つけています。解決へ向かうためにはこの傷の癒しがスタートラインなのです

ご主人と義母の親子関係に文句を言っても、あなたと出会う前から構築されてきた関係ですから、そこで闘っても勝算は低いです。

まずあなた自身が葛藤を捨てて自己否定をやめること

あなたが自己否定するのをやめれば自然と行動も変わります。あなたが変われば間違いなくご主人にも影響を与えると思いますよ。