依存症の母親・虐待をする母親

共依存の中では一番深刻なケースとしてこの二つをまとめました。


依存症がある母親も虐待を止められない母親も、身近に依存症の方がいて関りがあったり、自分自身が虐待を受けていた可能性が非常に高いです。大人の事情に振り回された子ども時代だったのは間違いありません。

人は学んだことしか選べません。愛のある家庭を作りたいと思っても記憶や経験がないので、克服への道が険しいのです。愛のない世界で生きてきたのに、ある日突然「さぁ子どもを愛しましょう」と周りから諭されても見知らぬ国に放り出されたようで、苦しいでしょう。

もちろんその子どもたちも苦労します。依存症の親を見て育つ子供は、小さなころから親代わりに兄弟の面倒を見たり家事をしたりして、自立心は育っても、常に寂しさを抱えているので気持ちは不安定です。その不安定な状態を持ち直そうとする強い力もある一方で、バランスを崩すと自分もまた、何らかの依存に陥りかねません。

虐待を受けた子どもは、大人になるにつれて周りに暴力的になる場合と、自信喪失のまま人間関係で平等性を保てずに社会においてもいじめのターゲットになる場合があります。

パートナーからDVを受ける女性に事情を聞いていると子供の頃虐待を受けていた方は非常に多いです。

親も問題視されてきたので常に周りとのトラブルを抱えていることもあり、相談できる人を見つけられず孤立しています。「どうしていいのかわからない」というより「どうするか考えたことがない」状態の人もいるでしょう。いずれにせよ気持ちが外に向かず、親との共依存を助長してしまうんですね。

本当は周りの人たちの力を一番必要とするケースです。セラピーやカウンセリングだけでなく、警察や保健所などの公共機関と連携して危機介入が必要なこともある。ところが法律が整備されていないことも小さな犠牲者を増やす要因になっており、日々もどかしい事件がニュースで流れると胸が痛みます。

さて、子どもの頃は逃げられなかったかもしれませんが、大人になれば縁を切る自由があります。依存や虐待を繰り返す親を、残念ながら愛の力で変えることは非常に難しいと考えなければいけません。

依存症に関しては専門家に助けを求めましょう。
パートナーのDVに関して選ぶ道は一択。逃げてください。

ある環境に生まれたことについて自分に非はありません。

ただし、暴力を受け続けることは「暴力をふるって下さい」と意思表示をしているようなものです。暴力は犯罪なので自分は被害者であると自覚して、一秒でも早く距離を取ってほしいと思います。

何よりもあなたの命を守ることを最優先にしてください。