人の恨み。人の痛み。
ドラマ「下町ロケット」の佃社長のセリフに印象深いものがあります。
『人の痛みというのは与えた方はすぐに忘れるが、与えられた方はなかなか忘れないものですよね。』
うんうん。確かに。
だから「自分から変わりましょう」って言うとアレルギー起こしちゃう人がいるんです。
なんでこっちが変わらなくちゃいかんのか、と。人から与えられた痛みが忘れられず恨みが増幅してしまう。
ま、できるかどうかは、ちょっと脇に置いて教えていただきたいのですが、忘れられるなら、その方が楽だと思いませんか?だって、元来、人は忘れたい生き物だからね。
パートナーとの辛い経験の中でそれをずっと忘れず恨み続けるとします。
関係を解消(結婚なら離婚)して、距離や時間ができると少しずつ心の痛みは和らいで行くように感じますが、脳は記憶を消しているわけではありません。頭の中では爆弾の導火線に常に火がついていて準備されてるような状態です。
「あの人よりひどいヤツに出会ってはいけない」
その思いが常に基準となってスタンバイ・メラメラしてます。
意識下で起きてるので表面的にはイライラしているわけではない。本人も気づいていない、まるで導火線です。
この緊張状態で周囲との新しい人間関係を築こうとすると、僅かな相手との違和感で爆弾が暴発してしまうことがあるわけです。
「あの人よりも優しい」→すぐ人を好きになってしまう→最終的にまたトラブルが起きる
「あの人と同じところがある」→関係を築く前に人を嫌いになってしまう→人と仲良くなれなくなる
人に期待しすぎることも、人に警戒しすぎてしまうことも、あまり良い結果は生みませんね。完璧な人間などいませんから。
「自分を傷つけた人よりいいのか悪いのか」のではなく、「自分に必要な人を探す」メンタルの方が本来必要なはずです。
探しているのは「あなたを幸せにしてくれる人」「あなたが幸せにしたい人」でしょ?
私はご相談者様に離婚をすすめるとか阻止する話はしません。それを選ぶのは自分なのでね。
但し、離婚を繰り返している人や似たような恋愛を繰り返して破綻している人は「自分に必要な人を探す」メンタルにはなっていない。自力で変えられないのです。
そんなわけで人から受けた痛みも人への恨みも昇華させた方がいいでしょう、と言うことです。
私のやっているセラピーは「あなたのことを傷つけてきた人を許してあげましょう」なんてお決まりの言葉で説得することはしません。思考を扱っていないので説得する必要がないからです。セラピーをやっている途中で身体から負の感情だけが抜けていくので記憶が飛ぶ、ということもあります。
「私、さっき、何に悩んでるって言いましたっけ?」とかなっちゃう(笑)
一時的なものなので記憶が無くなるわけではありません。記憶は戻ってきますがその時には痛みと恨みが残っていない「ただの記憶」状態です。
これが「自分を変える」ということになるかと思います。
こんな自分の変わり方ならやってみて損はないでしょ。