自分の役割に気づくとき。

ご自分の親が毒親でした、とか虐待がありました、と言った場合、確かに仲良し家族は憧れかもしれません。ですが必ずしも仲良し家族だとしても、個々にとって幸せかと言うとそうとも限りません。

「お父さん大好き!お父さんみたいな人と結婚する!」と思春期に反抗しなかった場合、結構な確率で婚活が上手くいかないと悩んでいる女性がいますし、自分は母親として完璧だと自負していたのに子供から「ずっと嫌だった。もう関わりたくない」と言って縁を切られてしまったり・・・家族の形にそもそも正解がないのです。

過酷な環境でも人の愛は育ちますし、恵まれているはずの環境を与えられても悲しい事件が起きています。
多くの場合は「ウチはいたって普通」と思い込んでいて、社会に出たり、友達と話したり、結婚で相手の家族を知った時「あれ、ウチがおかしい?周りがおかしい?」と慌てるのですね。

ご両親が仲が良いのも悪いのも結局二人の問題ですから、「親のようになりたい」も「親のようにはなりたくない」も自分の基準として使ってしまうと自分の本当の幸せにはたどり着けません。

もちろん私もご相談者様のお悩みに向き合う時、「ご家族はどんな方たちでした?」と尋ねることがあります。

これは家族の中で誰が一番悪者なのかを探すためでもないし、あなたの何が悪いのかを責めるためでもありません。
知りたいのは

・家族一人一人がどんな役割を担っていたのか
・その役割を果たすためにあなたは何を我慢したり、執着してきたのか・・・です。

家族というバランスを保つために自分はどう家族の一員を演じてきたのか。社会に出た時、あるいは結婚をして新たな家族を作った時にこの役割が投影されることは間違いないです。
何らかの形で問題が出ているという事は今まで家族の前で演じてきた役割は「自分の本意でなかった」という事なのですね。

子どもの頃の選択肢は限られています。仕方なくこうするしか、ああするしかなかったという場面は多くあります。
でもそれはあくまでも子供の頃の話。大人は本来もっと自由があるのに、人生で選択する力を奪われてしまったままで諦めている方は多いです。

潜在意識の自分は実に正直ですから、表面でどんなに取り繕う行動をしていても、本意でなければいい結果に導かれないように頑張ります。すべては自分の内面が顕在化しているだけですから、周りのせいにしても家族のせいにしても何も解決しないのです。

子どもの頃に背負わされた役割なんて大人になったら不要です。体が大きくなれば服のサイズを変えるようにその年代にあった自分の役割を探し自分の内面から「YES and GO!」が出ているかを知ればいいのです。

もう十分に大人になったのですから、新しい自分の役割を探しに行きましょう。