母と娘。母と息子。

結婚は二人の問題とはいいつつも、親族やそれぞれの家族は関係ない!と言い切るのは難しいものです。

特に母親との関係は見逃せません。

母親と息子。そして母親と娘。この関係性はむしろ結婚前に観察・分析は必要ではないでしょうか。それぞれに強い依存関係があると必ずこじれるからです。
これは一例ですが、ご相談者様の体験談と共にご紹介します。

息子が彼氏化していた母親の例

母親は家族(特に夫)に愛されていないことで、息子に全力で歪んだ愛情を注いでいることがあります。そうすると、結婚とは自分の所有物=息子を奪われるという大事件なのです。息子のほうも至れり尽くせりで母親に養育されてきたので自分の意思がなく決断ができなかったり、わがままに育っているので自制心が薄かったりします。何も考えていないと思えば突然キレだすといった予測のつかない言動に結婚後、妻は苦労しますが、義母は「息子は何も悪くない」と主張し、嫁姑問題も悪化していきます。

義母と夫の共依存状態や夫の異常行動に翻弄されて、「私が悪いから、夫婦関係が上手くいかないのだ」と思い込んでいた女性がいらっしゃいました。

完全に洗脳状態でご相談時も「夫婦の関係を再構築したい」というご依頼。正直「これはマズイ」と思いましたが、「離婚をした方がいい」というアドバイスは聞かないだろうと推測出来ました。再構築の方法はさておき、本人の不安定な心理状態を整えることを最優先にしませんか、と提案しました。

すると彼女はマインドコントロールが解け、私が勧めるまでもなく2か月後に離婚を決めました。

離婚をお義母さんに伝えた所、最初に言った「○○ちゃん(息子)は朝ちゃんと起きられるかしら?」という言葉に「自分の結婚生活がおかしいと確信しました」と晴れ晴れとした表情で報告をしてくれた彼女の姿を見て、私もホッとしました。

娘へのライバル意識が激しい母親の例

「婚活をしていますが、男性に会いに行く日になると気分が上がらず自分でも理由がわからない」というご相談を受けたことがあります。ご本人は「男性への嫌悪感があるはずです」とのことでしたが、「原因は母親にもあるのではないか」と感じました。

母親にはマウンティングの自覚はありませんが、女性同士は何かと張り合いたくなるものです。娘への小言も「ただ感想を述べただけ」と主張しますが、娘に何かとコントロールしようとします。
「あんたはいつもダメだから・・・」
「若いころの私のほうがモテたけど?」
「そんな服を着てデートに行くの?」
「別に結婚しなくていいじゃない?」とあれこれ干渉が止まりません。

このケースでは、デートに出かけるときメイクをしてスカートをはいた自分が、母親から「はしたないもの」を見るような視線を向けられているという罪悪感があると気づいたのです。罪悪感から解放されると、彼女は自分と母親との共依存の関係を客観視できるようになりました。「まずは自分が自立しないとダメですね」と、彼女は一人暮らしを決めました。

堂々と女性らしい服を着てデートに行けるようになって今は楽しいそうです。