アダルトチルドレンとカサンドラ症候群
アダルトチルドレン(AC)とは、アルコール依存症や薬物依存症、虐待、精神疾患など、機能不全家族の中で成長した大人のことを指します。日本ではざっくりと『毒親』という括りでとらえている事がおおいです。幼少期から、本来子どもが経験すべきではない過度な責任と感情的な重荷を背負って育つわけですから、社会に出てコミュニケーションで躓く可能性が高いのは事実です。
常に周囲の感情に気を使い、自分とかかわりのないような他人ごとにまで責任を感じてしまうとか、完璧主義を目指すあまり、自分を見失いがちです。
感情に振り回されてきた分、自分にはブレーキがかかってしまい感情を出すのが苦手。自己犠牲的な行動が目立ちます。
一層孤独を深めてしまうので、いざ新しい人間関係を築こうとすると、共依存的な関係に陥りやすい事も。
人間はいつでも「生き抜くため」の方法を探します。機能不全家族の中で、子供のころからその試練を与えられてきたわけですから、早々に空気を読み、自立を促されます。ですがその自立はあまりに早熟で、自分の感情や価値観、思考を抑圧したうえで成り立っています。厚い仮面をかぶりながら必死でこれ以上自分の内面が傷つかないようにと周囲を警戒しているのです。
カサンドラ症候群の女性たちと向き合っていると、アダルトチルドレンとの密接な関連を感じ取る事ができます。そして間違いなく親との関係が夫との関係に投影されます。
感情を伝えられない、相手の感情を過剰に見積もる、不満を言語化できないといったようなコミュニケーションの歪み。
自己犠牲的な要素と愛情の境界が曖昧で、好きでもない人と結婚してしまっていたり。
夫との関係は常に支配か服従。共依存ですね。
カサンドラさんの被害者意識の改善は必須なのですが、過去の経験は被害者意識ではなく、間違いなく家族の被害者です。意識だけでなくトラウマ化してしまった家族から受けた心の傷も癒さなければなりません。
実は、夫側もアダルトチルドレンな場合もあるんですよね。男性はほかの男兄弟と学歴を比べられてプライドを傷つけられていたりするんです。ある意味同じ境遇だからこそ出会った二人なのかもしれません。それならば負のつながりの方を絶てば互いを理解しあえる最強の二人になれそうです。
カップルカウンセリングがおすすめですが、男性は相談下手ですからね。日本でもどんどん浸透していってほしいものです。
まずはカサンドラさんの感情のコントロールが必要です。自分の内面や価値観の言語化はそのあと。ヒーリングをしていると、カサンドラさんがみるみる変化していくのがわかります。うまくしゃべれなかった方が、どんどんおしゃべりになっていく。しかも理路整然と。
相田みつをさんも言っている「理屈じゃねぇんだよなぁ」がよく頭をよぎります(笑)
夫婦問題は夫婦の問題だけにあらず。自分の過去と感情の見直しから始める必要があります。