人の気持ちがわからない。
私がご相談者様にセラピーを行うのは殆どオンラインです。
ご希望で顔を見せたくない、と言われれば画面オフでも伺うことができます。
その代わり私は耳だけでも十分に情報を集めていますので、効果そのものが落ちることはないです。
先日はセラピーの間に「カツカツカツカツカツ・・・」と聞こえてきて「ん?何か書いてます?」と聞いたら必死でノートを取っていたみたいで、「そんなことしなくていいですよ、今は自分のことに集中しましょう」と声を掛けました。
「こんなに自分のことがわかっていないなんて・・・私は頭が悪いからですね」と言われてビックリ。
いやいやいやそれは関係ありません。
だれでも自分のことは意外とわからないものです。鏡がなければ自分の姿を見ることはできないように、自分のことは他者があってこそ気づくものです。セラピストは鏡の代わりだと思ってください。
自分の気持ちがわからない・・・と言うのを聞くと、アスペルガーさんたちが「人の気持ちがわからない」と言う話とどこか共通しているように思います。
自分の気持ちがわからないカサンドラさんと他人の気持ちがわからないアスペルガーさん。
だから惹かれあったのではないのかな、とさえ思います。
自分を構築していくときに、様々な人と関わる経験は必要不可欠です。周りからどう見られているのかを意識するというのは寧ろ私は大事だと感じています。気にしすぎるのも全く気にしないのも問題です。
周りより変わっている、という評価がその人にどんな影響を及ぼすのかは本人にしかわかりませんが、窮屈であることに間違いありません。人は誰かに認められたい生き物ですから、相手に拒絶された場合、周りと迎合して生きていくか、反発して生きていくかで人生は大きく変わります。
障害があるなしに関わらず、私はいつもカサンドラさんとアスペさんは似ていると感じます。
ご夫婦の問題として背景に見えてくることの一つに「頭がいい・悪い」という評価で夫婦間や親子間でマウンティングが起きていたり、劣等感に悩まれている場合があります。
恐らく初めにお話したご相談者様も自分への劣等感から「自分は頭が悪い」とおっしゃったのでしょう。
わからないからご相談に来たのに、セラピストの私に対してまで劣等感持たれちゃっても困るんだけどな(笑)
ま、こういった無駄な劣等感もあるので不安が大きくなっているのですね。
自分や他人の気持ちがわからないのは頭が悪いからではありません。みんながみんな感情むき出しで生きているわけではないですし、
多くの人が自分の感情と向き合っていないのです。自分でもわかっていないのに相手にはわかってほしい、なんて無理な話。人と人との争いの元はココから生まれていて、互いによくわからないからエンドレスなんです。
自分が何故こんなに悲しいのか、辛いのか、怒りがあるのか・・・ここを深く掘り下げていく人は次第に自分の内面が見えてきて、やがて周りにも気持ちが行き届くようになります。
感情解放で人生が変わったように感じたり、ご夫婦の間で突然気持ちが通いあう事が起きるのはこのプロセスがあるからなんですね。
実際、劣等感を解放することで、人からの評価を適度に受け止められるようになって楽になれたと喜んでいただけるのですが、ご相談者様がさらに驚くのは、周りのマウンティングが好きな人たちからの攻撃もピタリ、と止んでしまうことなんです。
不思議ですね。
相手の気持ちがわからない、と悩んでいるなら、まずは自分の気持ちと向き合ってみましょう。