母を許せない自分を責めていませんか

カウンセリングを受けている女性

「親の悪口を言ってはいけない」「親は大切にするもの」——そうした一般論に、そうだよねとうなずきながら、本当は心の奥で母を許せずにいる自分に、気づかないふりをしていませんか。

気づかないまま、自分の本当の気持ちを押し込めてしまう

親子の関係は、必ずしも良好なものばかりではありません。それにもかかわらず、「親孝行」や「親を敬うべき」という一般論に、そのまま従ってしまっている方は少なくありません。

その一般論を優先しすぎると、自分の中にある本当の感情に蓋をしてしまいます。母を許せない気持ちがあること自体に、気づかないまま過ごしている方は少なくありません。

ご相談から:友人の心配が、本当の感情への入り口になった

ある方が私のところにいらしたきっかけは、ご本人とお母様との関係を心配したご友人からの勧めでした。ご本人は当初、「母はかわいそうな人で、何も悪くない。大切にしなければ」と話し、友人の見立てには半分納得がいっていない様子でした。それよりも、ご本人と母親をずっと振り回してきた父親への怒りの方が強いとおっしゃっていました。

けれどセッションを重ねていくうちに、ご友人が感じ取っていた通りのことが見えてきました。母親もまた、父親への悪口を娘に延々と聞かせたり、「あなたも父親に似ている」と責めたり、「産まなければよかった」といった言葉を口にしていたのです。ご本人はそれによって自分が傷ついてきたことに、長らく気づいていませんでした。「責められて当然、お母さんも大変だから」——それは子どもなりの母への思いやりだったのかもしれません。けれどその感覚を大人になっても引きずったまま、結局は父親にも母親にも振り回され続ける人生を送っていたのです。

両方の親への感情に光を当てて、初めて変わっていける

父親だけでなく、母親に対する感情にも目を向けたことで、この方は大きく変わっていきました。ただし、だからといって母親を許せたかどうかは、また別の話です。許せるようになるまでには、もう少し時間がかかるものだと思います。「許す」というのはあくまで結果としてたどり着くものであって、その結論に至ることこそが人として立派だという思い込みに駆られてしまうと、かえって自分が本当は何に苦しんできたのかに気づきにくくなってしまうからです。

許せないままでも、前に進むことはできる

必ずしも許すことがゴールではありません。許せない感情があることに気づき、それを認めてあげるだけでも、母との距離感を整え、自分の人生を歩んでいくことは十分に可能です。

許せない気持ちに、心当たりがある方へ。まずはご自身の本当の気持ちに気づくところから、始めてみませんか。オンラインカウンセリングでお話を伺います。